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直流/DCモータと交流/ACモータの特長と違いを比較!

モータは、直流(DC)モータと交流(AC)モータの2種類に分けられ、自動車や医療機器、産業用ロボットなど、様々な分野で活用されています。

モータの購入を検討している場合、「どちらを選べばよいか分からない」と悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか。

本記事では、直流モータと交流モータの特長や、それぞれの違いについて解説します。


また、産業用モータの選び方については、こちらの記事で解説しています。

【産業用モータの選び方】モータの種類と選定ポイントを紹介


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  1. 1.直流(DC)モータの特長
  2. 2.交流(AC)モータの特長
  3. 3.直流モータと交流モータの違い
    1. 3.1.①回転制御
    2. 3.2.②ノイズ
    3. 3.3.③エネルギー変換効率
  4. 4.マブチモーターのサステナブルな製品づくり
    1. 4.1.①省資源・省エネルギー化の実現
    2. 4.2.②環境負荷物質を使用しない生産工程
  5. 5.まとめ


直流(DC)モータの特長

直流モータは、プラスとマイナスが常に一定方向に流れる電流を動力源にしているモータです。

直流モータで使用する電流の代表的な例は、乾電池やバッテリーなどが挙げられます。それらを使用する際に、プラスとマイナスの向きが指定されているのは、電流が一定方向に流れていることが理由です。


▼直流モータのイメージ


直流モータの特長として、低コストかつ小型・高出力・エネルギー変換効率に優れている点が挙げられます。また、起動トルク※1の大きさも特長の一つで、電源を入れたらすぐに高速回転で動き出します。

直流モータは、ブラシ付DCモータとブラシレスDCモータに分けられ、整流子※2とブラシ※3の有無が大きな違いです。



※1・・・モータが停止している状態から起動する瞬間に発生するトルクのこと。
※2・・・コイルに流れる電流の向きを変える部品のこと。コミュテーター・コミテーターとも呼ばれている。
※3・・・モータ内部に電流を流すための電極のこと。


ブラシ付DCモータとブラシレスDCモータの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

ブラシレスDCモータとは? ブラシ付DCモータとの違いと種類を解説



交流(AC)モータの特長

交流モータは、直流モータと異なり、プラスとマイナスの向きが周期的に入れ替わる電流を動力源にしているモータです。

モータ内部にブラシが付いていないため、メンテナンスやモータの交換などが不要で長期的に利用できるという特長があります。

また、交流モータは、発電所から送電される電気で稼働します。コンセントが備わっていない場所では利用できない点には注意が必要です。



直流モータと交流モータの違い

直流モータと交流モータは、動力源の違い以外にも違いが見られます。ここでは、両者の違いを3つの観点で解説します。


▼直流モータと交流モータの違い

項目
直流モータ
交流モータ
①回転制御
制御しやすい
制御しにくい
②ノイズ
発生しやすい
発生しにくい
③エネルギー変換効率
約90%
約85%


①回転制御

1つ目の違いは、モータの回転制御の自由度です。

直流モータは、モータにかかる電圧を変更することで、回転速度を制御しやすくなり、高速回転を実現できます。

一方で、交流モータは、周波数によって回転速度が一定に保たれています。日本の周波数は、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で決まっているため、容易に切り替えることができず、回転速度を制御しにくいという課題があります。

電圧・周波数を自由に設定できるインバータ装置を利用することで、回転速度を制御できますが、直流モータに比べるとインバータ装置のコストがかかります。


②ノイズ

2つ目の違いは、ノイズの発生有無です。

直流モータには、モータ内部に電流を流したり、電流の向きを変えたりする目的で、ブラシと整流子が備わっています。2つの部品が摩擦することで、ノイズが発生するケースがあります。

一方、交流モータにはブラシと整流子が付いていないため、ノイズが発生しにくい環境です。

ただし、直流モータの一つである“ブラシレスDCモータ”も、ブラシと整流子の代わりに半導体素子を用いた駆動回路が使用されています。これにより、交流モータと同様に、ノイズが発生しにくい環境を実現しています。


なお、モータの代表的なトラブルである異音については、こちらの記事で解説しています。

モータのトラブル例と異音の原因・対策方法


③エネルギー変換効率

3つ目は、エネルギー変換効率の違いです。

一般的にモータは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関よりもエネルギー変換効率が高いといわれています。それは、回転数が低い状態でも力を出せる性質や発生する熱の少なさなどが理由です。


▼エネルギー変換効率の違い

区分
エネルギー変換効率の目安
内燃機関
約30~40%
直流モータ
約90%
交流モータ
約85%


エネルギー変換効率が高いといわれるモータを種類別で比較してみると、直流モータのほうが約5%高いことが分かりました。直流モータは、小型化に優れている分、必要なエネルギー量や部品製造に必要な資源などの削減につながっていると考えられます。


出典:経済産業省『交流電動機のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等



マブチモーターのサステナブルな製品づくり

直流モータを取り扱うマブチモーターでは、サプライチェーン全体を通して、“クリーンなものづくり”を目指しています。

また、サステナビリティ方針の中で、“小型直流モータの可能性を徹底的に追求し、モータを通じて国際社会が直面している課題の解決に貢献する”ことを掲げて、日々開発に取り組んでいます。

ここでは、マブチモーターのサステナブルな製品づくりの特長を2つ紹介します。


①省資源・省エネルギー化の実現

マブチモーターでは、モータの小型・軽量・高効率・静音性に注力して研究開発を行ってきました。その結果、あらゆる機器の燃費効率向上や省資源、省エネルギーに貢献できる製品を提供できています。

また、モータのエネルギー変換効率も製品によっては92%を記録し、省エネルギー化の実現だけでなく、環境性能の向上にも貢献しています。


製品カタログダウンロード


②環境負荷物質を使用しない生産工程

マブチモーターの製品には、六価クロムやカドミウム、鉛などの環境負荷物質を使用していません。それによって、環境事故の発生も防止できています。



また、環境に配慮した生産工程の見直しも行っており、実際に以下のような取り組みを実施しています。


▼生産工程の改良例

  • モータ部品の洗浄液をアルカリ洗剤からアルカリ電解水へ変更
  • ろ過装置を導入して、洗浄液を循環再利用
  • 生産設備と検査工程を改善して、一部のモータ部品を無洗浄化



まとめ

この記事では、直流モータと交流モータについて以下の内容を解説しました。

直流モータと交流モータの特長と違い
マブチモーターが取り組むサステナブルな製品づくり

直流モータと交流モータは、モータに電気を流す動力源が大きな違いです。また、回転制御のしやすさやノイズの発生有無、エネルギー変換効率にも違いが見られます。直流モータは扱いやすく、省エネルギー性の高いモータであることが分かっています。

マブチモーターでは、直流モータを取り扱っており、近年は特にブラシレスDCモータの開発にも力を入れています。“小型・軽量・高効率”を基盤としつつ、“防水、高速回転、静音性”など各用途で必要とされる要素を組み込んだ製品ラインナップを取り揃えております。

世界各地に販売網を有しており、ご希望の製品を短納期でお届けすることが可能です。さらに、サンプルのご要望や使用方法のご確認など、製品の選定からご購入後まで一貫したサポートを行っております。「自社製品に最適なモータが分からない」「エネルギー効率の高いモータを探している」など、お困りの方はお気軽にご相談ください。

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