catch-img

協調ロボットの役割とは? 従来の産業用ロボットと異なる点も併せて解説

昨今、規制緩和や技術の進歩により、食品や自動車など多種多様な製品の製造現場で、協調ロボットの導入が進められています。しかし、従来の産業用ロボットと、具体的にどのような点が異なっているのでしょうか。

本記事では、協調ロボットの役割と従来の産業用ロボットとの違い、そして近年注目を集めている理由を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.協調ロボットとは?
  2. 2.協調ロボットと従来の産業用ロボットの4つの違い
    1. 2.1.①ロボット本体の大きさ・重量
    2. 2.2.②作業内容
    3. 2.3.③設置条件
    4. 2.4.④取り扱える重量
  3. 3.近年協調ロボットが注目されている3つの理由
    1. 3.1.①80W規制の緩和
    2. 3.2.②安全技術の向上
    3. 3.3.③導入の容易さ
  4. 4.協調ロボットに適した小型モータ
  5. 5.まとめ


協調ロボットとは?

協調ロボットとは、人と同じエリアで作業できる安全性の高いロボットのことです。重量物は協調ロボットが持ち、軽量な部品を人間が組み立てていくといったように作業を分担するなど、柔軟な運用に対応可能です。

最近では製造現場だけではなく、飲食業での配膳にも利用されており、日常生活の中でも目にする機会が増えてきています。

なお、「協働ロボット」という表記を見かける場合もありますが、協調ロボットと同じ意味で使われることが一般的です。本記事では、協調ロボットに表記を統一して解説させていただきます。



協調ロボットと従来の産業用ロボットの4つの違い

協調ロボットが普及する以前、製造現場で人の代わりに作業を行ってきたのが従来の産業用ロボットです。産業用ロボットは、大規模かつ大量生産のラインを中心とした単純作業に用いられる場合が多く、また産業用ロボットが作業するエリアには、メンテナンス時を除き人の立ち入りは許可されていませんでした。

しかし、2013年にロボットに関する規制が緩和され、また安全技術も進歩したため、今では、多種多様な用途に利用できる協調ロボットの導入が進んでいます。

では、協調ロボットはどのような点が従来の産業用ロボットと異なるのでしょうか。具体的な項目を4つご紹介します。


①ロボット本体の大きさ・重量

従来の産業用ロボットと異なり、協調ロボットは比較的小型かつ軽量である点が特徴です。そのため、万が一制御不能になってしまったとしても、周囲の人に対して危害を及ぼすリスクを減らせます。人との共同作業を実現できたのも、この高い安全性のおかげです。

小型の協調ロボットをスムーズに動かすためには、同じく小型のモータが欠かせません。小型モータの特徴や種類、用途については、こちらの記事をご覧ください。

小型モータにはどのような用途がある? モータの主な種類も紹介


②作業内容

協調ロボットの多くは、関節の数が5から6軸ほどあるため、高速で高精度な作業が可能となります。そのため、繊細さが必要な作業にも対応できるほか、人の作業もサポートできます。

また協調ロボットは、多種多様な作業に対応可能です。特に食品製造業のように、変種変量生産に柔軟に対応する必要がある現場では、協調ロボットが活躍します。

従来の産業用ロボットは、単純作業を得意とし、対象も同品種に定まっている場合が多い一方で、協調ロボットは、多種多様な作業に対応可能です。特に食品製造業のように、変種変量生産への柔軟な対応が求められる現場では、協調ロボットが活躍します。


③設置条件

協調ロボットと従来の産業用ロボットは、その大きさと安全柵の有無によって設置条件が大きく異なります。

協調ロボットは小型かつ、人の作業と分離するための安全柵も不要なため、設置場所を選びません。既存の作業レーンに後付けできるためコストも減らせるうえに、狭いスペースでも設置可能です。

一方、産業用ロボットは大型で、危険なエリアを区切るための安全柵が必須です。そのため、専用の大型レーンといった、産業用ロボットのみが稼働できる広いスペースの確保が必要となります。


④取り扱える重量

協調ロボットは軽量で小型のため、重量物の運搬や組み立てには適していません。目安としては、35kgまでが取り扱い可能なラインとなります。

自動車の主要部品のような重い製品の取り扱いには、従来の産業用ロボット適しています。



近年協調ロボットが注目されている3つの理由

協調ロボットは、大企業だけではなく中小企業でも導入が進められています。ここまで注目されているのには、次の3つの理由があります。


①80W規制の緩和

協調ロボットの普及を大きく進めた要因の1つが、2013年の産業用ロボットに関する規制緩和です。

かつて出力80W以上の産業用ロボットを利用する際には規制があり、ロボットの周辺に柵を設けて、人の作業スペースから隔離しなくてはなりませんでした。しかし2013年にこの規制が緩和され、今では国際標準化機構(ISO)の定める規格に準じた措置を、企業側と利用者側の双方が講じていれば、80W以上のロボットでも人と同じ空間で作業可能です。

この規制緩和により、ロボット導入可能範囲が広がったことに加えて、国内で協調ロボットの開発が加速したことで、さらに普及が進んでいます。


②安全技術の向上

ロボットメーカー側の安全技術の向上も、協調ロボットが注目されはじめた理由の1つとして挙げられます。

規制緩和と共に、ロボットと作業する上でのリスク評価の方法も整備され、各メーカーはそれに応えられるよう安全技術を向上させてきました。
その結果、ロボットが人と作業する際の安全性が確保され、協調ロボット導入のハードルが下がり、急速な普及につながっています。


③導入の容易さ

協調ロボットを活用するためのプログラムやアプリケーションの開発が発展し、導入が容易になっていることも、協調ロボットの普及を後押ししています。

ロボットの導入に必要な準備が短縮されコストの削減も進んだため、企業規模にかかわらず協調ロボットを導入しやすい環境になっています。

このような協調ロボットの需要の増大に際し、マブチモーターでは協調ロボット用の小型モータの提供を推進しております。お客様のご要望に合わせて、中空フレームレスタイプあるいは通常のブラシレスタイプをお選びいただくことが可能です。



協調ロボットに適した小型モータ

小型モータには、いくつかの種類があります。その中でも、協調ロボットに適しているのはどのようなタイプなのでしょうか。 

ここでは、代表的な3種類の小型モータを比較していきます。

▼小型モータの比較結果一覧

項目

ブラシ付DCモータ

ステッピングモータ

ブラシレスDCモータ​​​​

寿命

短い
長い
長い
電力効率
中程度
低い
高い
電磁ノイズ
多い
比較的少ない
少ない
振動
比較的少ない
多い
少ない
最大回転数
比較的少ない
比較的多い
多い


表をご覧いただくと、ブラシレスDCモータは多くの点で協調ロボットに適していると分かります。長期間連続した作業を実施する協調ロボットにとって、寿命の長さと電力効率の高さは重要です。また、ノイズや振動の少なさも作業の精密さが求められる協調ロボットには欠かせません。

マブチモーターのブラシレスDCモータは、小型・軽量・高効率な製品となっております。各種ラインナップの中から、お客様が求める協調ロボットの用途に合わせた製品をご提案させていただきます。

例えば幅広い用途を想定し、高いカスタマイズ性をお求めであれば、中空フレームレスタイプのIA/IBシリーズをご検討ください。
IA/IBシリーズ

停止状態から低速域での安定性が必要であれば、回転角度を検知できるレゾルバセンサを搭載した、IR/MRシリーズが最適です。
IR/MRシリーズ



まとめ

この記事では、協調ロボットについて以下の内容を解説しました。

協調ロボットの用途
協調ロボットが従来の産業用ロボットと異なる点
協調ロボットが注目されている理由
協調ロボットに適した小型モータ

小型で軽量な協調ロボットは、安全に人の作業をサポートできるため、省人化に伴う製造工程のコスト削減や、人手不足の解消に貢献します。協調ロボットをスムーズに動作させるためには、高性能な小型モータが必要です。

マブチモーターでは多種多様なブラシレスDCモータを取り揃えており、オンラインショップでもお求めいただけます。モータの種類の検討をされているお客様には最適な提案をさせていただきますので、是非お気軽にお問合せください。

お問い合わせ

ONLINE SHOP