
DCモータとACモータの特長と違いを解説!
モータは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機械であり、大きく分けると電源の種類によってDC(直流)モータとAC(交流)モータの2つに分類されます。
また、それら2つのモータは設計や構造によってさらに細かく種類が分かれており、産業、自動車、医療機器、ロボティクスなど、あらゆる分野で様々なモータが活用されています。
この記事では、DCモータとACモータの特長と違いを解説します。それぞれのモータに適した用途についても紹介していますので、モータ選定にぜひお役立てください。
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DC(直流)モータ
DCモータは、一定方向に流れ続けている電気(直流電源)を動力源にしているモータです。
図1 : DCモータの原理
なお、DCモータの電磁力F、トルクTは次の式で表されます。
(電磁)力 F = 磁束 B × 電流 I × 導体の長さ ℓ
トルク T = 導体の本数 ×(電磁)力 F × 中心からの導体の距離 R
DCモータの特長
DCモータの最大の特長は、バッテリ駆動が可能なことです。
持ち運べるバッテリを使用できるため、自動車電装機器や電動アシスト自転車、小型家電、電動工具等の用途に適しています。
DCモータの種類
DCモータは、ブラシと整流子の有無によって、ブラシ付DCモータとブラシレスDCモータの2種類に分類されます。
ブラシ付DCモータ
ブラシ付DCモータは、ブラシと整流子によって電流の向きを切り替ることにより、回転を発生させています。構造がシンプルなため低コストであり、制御しやすいといったメリットがある一方で、ブラシと整流子の摩擦による経年劣化やノイズが発生するというデメリットもあります。
ブラシレスDCモータ
ブラシと整流子を電子回路に置き換えることにより、ブラシ付DCモータのデメリットを解消したのがブラシレスDCモータです。価格は同出力帯のブラシ付DCモータに比べて高価ではありますが、長寿命かつ高効率であり、静音性も高いのが特長です。
ブラシ付DCモータ、ブラシレスDCモータの特長については、こちらの記事で詳しく解説しています。
図2 : ブラシ付DCモータとブラシレスDCモータの構造の例
(左)ブラシと整流子により電流を切り替えるブラシ付DCモータ
(右)磁極検出器を使用してスイッチにより電流を切り替えるブラシレスDCモータ
AC(交流)モータ
ACモータはその名前の通り、周期的に方向を切り替える交流電流を動力源にしているモータです。
ACモータの特長
ACモータの最大の特長は、交流電源に直接接続して連続使用が可能なことです。
設備・産業用途では、三相交流電源から大きな電力を得て駆動させるケースが多く、エレベータや大型ポンプ等でACモータが活用されています。
一般家庭用途では、単相交流電源のコンセントに接続するタイプの家電製品に使用されることが多いです。
ACモータの種類
ACモータには多くの種類がありますが、主に産業向けに使用されるものとしては、同期モータと誘導モータ(非同期モータ)の2タイプに大別されます。この他に、主に一般家庭で使用される単相ACモータというタイプもあります。
同期モータ
同期モータはステータにコイルがあり、ロータが回転磁界と同じ速度で回転します。回転数は電流の周波数に比例し、これを同期と呼びます。
誘導モータ
誘導モータは非同期モータとも呼ばれ、電磁誘導による起電力をコイルに生じさせて回転するモータです。ステータにコイルがあるのは同期モータと同じですが、ロータが短絡したコイルになっている点が異なります。誘導モータの場合は、ロータがステータに生じる回転磁界よりもやや低い速度で回転します。
まとめ
DCモータとACモータには異なる特性があるため、適切なモータを選択するには用途に応じた仕様を注意深く検討することが重要です。
マブチモーターでは、自動車電装機器や家電向けのブラシ付DCモータに加え、「小型・軽量・高効率」な小型ブラシレスDC(BLDC)モータを開発、提供しています。当社のBLDC製品シリーズは、産業分野における自動化、高性能な医療機器開発などに最適なソリューションを提供可能です。
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