ポンプとは？種類の解説とともに当社グループで取り扱うローリングポンプを紹介

生活や産業の様々な場面で活用されているポンプですが、私たちの身近な存在でありながら、製品の内部に組み込まれているため、その用途や種類は意外と知られていません。一口にポンプといっても仕組みや機能は多岐にわたり、用途によって多種多様なポンプが活用されています。

本記事では、ポンプの種類と用途に焦点を当てて、詳しく解説します。

ポンプとは

液体や気体といった「流体」を送り出すために必要なエネルギーを生み出す装置のことをポンプといい、その性能は「流量」という共通の指標で表されます。ポンプの役割は、流体に圧力を加えて、安定した流れを作ることです。

私たちの生活の中で、最も身近で活用されているポンプは上・下水道ですが、そのほかにも血圧計やコーヒーメーカーに小型のポンプが使用されており、私たちが健康で豊かな生活を送る上でポンプは欠かせない存在です。

ポンプの種類

ポンプは、用途や流体の種類によって構造が異なり、“容積式ポンプ”と“非容積式ポンプ”に大別されます。

ここでは、ポンプの種類について深掘りします。

容積式ポンプ

容積式ポンプとは、ある一定の容積の空間にある流体を、往復運動や回転運動によって加圧することで、流体を吐出するポンプのことです。 一定量の流体を正確に吐出する定量性に優れていること、揚程* が比較的高く、自吸能力及び吐出圧力が高いことが特長です。
*ポンプが流体をどれぐらいの高さまで持ち上げる能力があるかを示す数値

容積式ポンプの種類については、以下をご確認ください。

▼容積式ポンプの種類

容積式ポンプは“往復動ポンプ”と“回転ポンプ”に分類され、そこから用途に応じてさらに枝分かれしています。

往復動ポンプは流体の圧力が求められる用途に適しており、車や建物等に使われる高圧洗浄機には、プランジャーポンプが使用されるのが一般的です。回転式ポンプは、ギアやスクリューを嚙み合わせて歯の間に液体を導く構造になっており、グリースや接着剤等、粘性の高い液体の輸送に適しています。

非容積式ポンプ

非容積式ポンプは、内部で羽根車を回転させ、その遠心力によって流体を送り出す仕組みになっており、連続的に大量の流体を送る能力に優れています。しかし、揚程が低く、流量は負荷によって大きく左右されるため、容積式ポンプと比べて定量性は低くなる傾向にあります。

非容積式ポンプの種類については、以下をご確認ください。

▼非容積式ポンプの種類

これらの非容積式ポンプは、定量性よりも連続的に大量の流体を移送することが優先される用途に適しており、例えば渦巻ポンプはブロアや上・下水道、発電所、ボイラー給水等に使用されています。

一口にポンプといっても、このように幅広い種類があるため、用途を明確にした上で適切に選定することが重要です。

ポンプの用途

ここまでポンプの種類とともに、一部の用途も紹介させていただきましたが、ポンプは医療現場や産業分野、日々の生活の様々な場面において、送液や循環、加圧用等で使用されています。

▼ポンプの主な用途

• 医療現場（小型血圧計、輸液ポンプ等）
• 液体の循環（化学プラントの溶剤、冷媒等）
• 揚水（雨水、灌漑等）
• 圧送（水道の送水、下水の排水等）
• 家庭用（灯油ポンプ、バスポンプ等）
• 水力エネルギーの利用（揚水発電）

当社グループが扱うローリングポンプを紹介

これまで様々な種類のポンプを紹介してきましたが、ここでは当社グループのマブチオーケンが取り扱っている「ローリングポンプ」について詳しく解説します。

ローリングポンプとは、容積式ポンプの一種であるダイヤフラムポンプの中でも、ローリング式の駆動方式を採用した小型ポンプのことです。ローリングポンプはマブチモーターオーケンが発明し、血圧計をはじめとする医療機器、ランバーサポート等の自動車電装機器、その他家電機器や事務機器などにも幅広く活用されています。

▼ローリングポンプの構造図

ローリングポンプは、複数の気筒（ダイヤフラム）をモータの回転運動により収縮・膨張させ、吸気弁・排気弁を開閉させることで、流体を送ったり（正圧）、吸ったり（負圧）する仕組みとなっています。

直動式に比べて脈動を抑えられることに加えて、振動や作動音が小さいというメリットがあります。また、サイズを小さく設計することも可能で、小型の電子機器にも搭載できるのが特長です。

ここからは、マブチオーケンが製造・販売しているローリングポンプをいくつかピックアップして紹介します。
マブチオーケンのウェブサイト（https://okenseiko.com/pump/air/ ）ではより詳しい情報を紹介しておりますので、是非ご覧ください。

エアーポンプ（気体正圧）

気体を送り込む（正圧）用途で用いられるポンプです。求められる性能に応じて、小型大流量モデルや高圧力モデル等、幅広いラインナップを揃えています。

▼超小型エアーポンプ：サイズ 8mm厚

主な用途：手首式血圧計

▼静音・低脈動エアーポンプ：サイズφ27mm

主な用途：上腕式血圧計、生体情報モニタ

▼大流量エアーポンプ：サイズ □55mm

主な用途：ランバーサポート、マッサージチェア

バキュームポンプ（気体負圧）

気体を吸い込む（負圧）用途で用いられるポンプです。小型設計ながらも高負圧の吸引が可能であることが、マブチオーケンのバキュームポンプの特長です。

▼バキュームポンプ：サイズφ27mm

主な用途：分析装置、食品真空保存容器、インクジェットプリンタ

液体ポンプ

液体の移送に用いられるポンプです。マブチモーターオーケンでは、自吸可能で水位に捉われずにポンプ位置を設定できる、汎用性の高い液体ポンプを取り揃えており、家電機器や住宅機器などの様々な分野で広く採用されている実績があります。

▼液体ポンプ：サイズφ27mm

主な用途：電子レンジ（スチーム機能）、インクジェットプリンタ、食器洗浄器（洗剤供給）

まとめ

この記事では、ポンプの種類と用途について、以下の内容をお伝えしました。

• ポンプとは
• ポンプの種類
• ポンプの用途
• 当社グループが扱うローリングポンプを紹介

一般的に、ポンプは「容積式」と「非容積式」の2種類に大別され、それぞれ構造が異なります。選定に際しては、用途や流体の種類を考慮して、適切なポンプを見極めることが大切です。

マブチモーターグループのマブチオーケンでは、今回紹介した製品以外にも、小型のポンプを多数取り揃えています。用途に合わせて最適なご提案をさせていただきますので、ポンプをお探しの方は是非お気軽にお問い合わせください。

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