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ギヤードモータの取り扱いにおける注意点を解説

近年、様々な装置や機器の小型化・軽量化が求められるようになっており、高トルクと省スペースを両立可能なギヤードモータが注目されています。ギヤードモータには多くのメリットがありますが、取り扱いに関しては通常のモータ以上に注意が必要な点もあるため、適切な知識を持って活用することが重要です。


そこで本記事では、ギヤードモータの取り扱いにおける注意点を解説します。



ギヤードモータとは

モータとギヤ(減速機)が一体化している製品のことを、ギヤードモータといいます。


従来、モータの回転数を落としたい場合には、カップリング(継手)と呼ばれる部品を用いて、モータとギヤを連結する方法が主流でしたが、連結のためのスペースが必要になるという課題がありました。そこで、専用のギヤをモータに直結することで、スペースの削減を実現したのがギヤードモータです。


ギヤードモータの使用例や種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
ギヤードモータとは? 使用例や減速機の種類を詳しく解説



ギヤ(減速機)の役割

ギヤ(減速機)の役割は、主に以下の4つです。


  • 力を増幅する
  • 高速回転に対応する
  • 低速回転に対応する
  • 入力を正確に出力する


モータのトルクと回転数は反比例の関係となっているため、トルクが大きくなると、その分回転数は小さくなります。「ギヤがモータの回転速度を減速する割合」である減速比は、「入力速度÷出力速度」の式で表されます。すなわち、減速比が大きくなればなるほど回転数は小さくなり、大きなトルクが出せるということです。用途によって求められるトルクや回転数は異なるため、適切な減速比を選ぶ必要があります。


例えば重い物を持ち上げる工業用ロボットは、高速駆動よりもトルクが優先されるため、減速比の大きなギヤが用いられるケースが多いです。



ギヤードモータの取り扱いにおける注意点

ギヤードモータの性能を十分に活かすためには、適切な知識を持って取り扱うことが重要です。誤った使用は故障やトラブルの原因となるため、ここでは取り扱いにおける主な注意点を5つ解説します。


▼出力軸の取り扱いに関する注意点

ギヤードモータを出力軸側から回転させることは避けてください。内部のギヤが折損する原因となります。


▼追加工に関する注意点

分解及び改造等の追加工は行わないでください。保証された性能を発揮できなくなるだけではなく、思わぬ事故を引き起こす可能性があります。


▼配線に関する注意

ギヤードモータの結線時には必ずアース工事を行い、1台ごとに専用の漏電遮断器を設置してください。電気配線や配線工事は電気設備技術基準や各電力会社内線規定に従って実施する必要があります。


▼使用方法に関する注意点

屋内向けのギヤードモータを屋外で使用しないでください。モータ内部に雨水等が侵入し、ギヤの動作不良や漏電が発生する恐れがあります。また、モータの最大出力の範囲内であっても、定格出力を超える出力で駆動させ続けることは避けてください。モータの発煙や発火を引き起こし、ギヤに過剰な負荷がかかり折損の原因となります。


▼用途に関する注意点

昇降用装置において、ギヤードモータを人の昇降用途に使用することは建築基準法で禁止されています。また、人以外の昇降用にギヤードモータを使用する場合は、必ず機械側に安全装置を取り付ける必要があります。



マブチモーターが提供するギヤードモータを紹介

マブチモーターでは、小型で軽量なギヤードモータを多数ご提案しています。今回はその中から『MSシリーズ』と『MRシリーズ』をご紹介します。どちらもAGV・AMRやパーソナルモビリティ向けのモータシリーズであり、機器の小型化・軽量化に貢献します。両シリーズとも、防水加工が施されているため屋外でも使用可能です。


モータ単体はもちろん、電磁ブレーキ等を組み合わせた駆動ユニットもご用意しており、製品構造に合わせて最適なモータをお選びいただけます。また、MRシリーズには高分解能レゾルバセンサを搭載しており、スムーズな旋回や正確な停止といった精密な制御が求められる用途にも対応可能です。


ここで紹介した、マブチモーターが取り扱うギヤードモータ『MSシリーズ』と『MRシリーズ』の詳細は、以下からご覧いただけます。


ギヤードモータの導入を検討されている方は、是非ご参考ください。




まとめ

この記事では、ギヤードモータの取り扱いについて、以下の内容をお伝えしました。


  • ギヤードモータとは
  • ギヤ(減速機)の役割
  • ギヤードモータの取り扱いにおける注意点
  • マブチモーターが提供するギヤードモータを紹介


モータとギヤが一体化したギヤードモータは、カップリング(継手)を用いた連結が不要になり、スペースの削減を実現しています。


ギヤードモータの性能を十分に発揮させるためには、その特徴を十分に理解し、配線や使用方法等の取り扱いに関する注意点を押さえることが重要です。


マブチモーターでは、『MSシリーズ』や『MRシリーズ』といったギヤードモータを含む、多種多様なモータを製造・販売しています。弊社の製品にご興味のある方は、是非お問い合わせください。


お問い合わせはこちら
https://solution.mabuchi-motor.com/contact

カタログ・取扱説明書は下記ページよりご確認いただけます。
https://solution.mabuchi-motor.com/download